室伏広治、日本国民なら必ず聞いたことのある偉人です。 日本人離れしたその身体能力とそれにまつわる信じられないような逸話を幾つも持っている方です。正直申しましてこの記事では語り切れないほどの偉業をなしているためその英雄的逸話はぜひご自身の目で確かめて頂きたいと思います。 今回の記事は伝説の男 室伏広治氏著作「ゾーンの入り方」を読んで競技へ生かせそうなエッセンスを紹介していこうと思います。
ゾーンの入り方と銘打っているが…実は
ハッキリ言って、どうしてこのような題名にされたのかと思います。
というのはパッと見てなんだか自己啓発セミナー本という少し胡散臭い印象を受けてそういうのが苦手な方には手に取られないのではないかと思います。中身は全く違うんですけどね…
内容的には なぜ集中できないのか トレーニングの作り方 指導者として の3つです。
曰く室伏氏はなぜ集中できないのか?それはトレーニングの質が低いせいだといいます。
トレーニングの質
トレーニングの質とは
毎日柔軟体操→ランニング→100mダッシュ×10→パス練習…と誰かに言われたとおりに成長を感じられず、変化もせずやっていませんか? それなのに「今日の練習だるいな」「集中できないなぁ」って思うことありませんか?なんなら今日練習したくないと思ったことありませんか?
もしもそんな状態がずーと続いているようなら一回立ち止まって自分のトレーニングについて考え直してみてください。これからもそんなマイナスなイメージを持って競技をしていくつもりですか?誰だっていやになりますよ。
室伏広治氏にこんな質問がされました。「30年ずっとハンマー投げをしてつまらなくなりませんか?」
著者曰く「私は同じ事をずっと継続したり反復したりするのではなく、メニューを変えたり取り組みを変えて、絶えず質の向上に努めています。だから練習も人とは違うことをしてみたり自分で考えてやるのでとても楽しかったです。」
またトレーニングにおいては何かしらの「ゴール」に向けてやられている方がいらっしゃると思います。そのゴールにむけた計画的なトレーニングを作る必要が選手には必要になることは明白です。また、そのようにして目標に向かっていく方法を「ピリオダイゼーション」といいます。
毎日どれだけやったか、ではありません。
「何のためにどういう練習をどの時期にやるのが最良であるのか」が重要なんです。質から発想して練習を組み立てていくことが重要であると著者は述べています。
集中できないならその日はもうやめよう
集中できないならその日の練習は切り上げちゃいましょう。そんな状態でやっても質も悪いし、何より楽しくありませんからね。
なぜ集中出来なかったのかを考えることのほうが先です。その理由を抱えたままトレーニングを続けていくことは効率的ではないし、より一層のストレスを抱えてしまいます。
指導者のあるべき姿とは
ハンマー投げの競技者として輝かしい記録を残してきた氏ですが、それはご自身の実の父室伏重信さんがコーチとして支えられていたといいます。何せ氏が平成10年に日本記録を更新するまで日本記録保持者は室伏重信さんだったのです。
そんなご自身の父についてはこう語っています
「私の父は、日常生活はともかく、コーチと選手という関係性においては、決してあれこれ細々と教え込もうとするタイプの指導者ではありませんでした。余計なことは言わずに黙って見守って、必要最低限のことだけをいう。指導者とは 教える指導 と 教えない指導 の両方が必要だということを熟知していたコーチだった。」
そんな指導者の下で競技をしていたからこそ毎日自らの改善点を修正していく努力を続けられたのではないでしょうか?
そんな練習方法は間違っている。黙って俺の言うことをきけ。 そんなことを言う指導者の下で自発的な選手は生まれにくいと思います。
本質を見失うな
昔の練習方法を辞めろと言っているのではありません。伸ばすべき、取り入れるべき本質を見失わずに現代にあった練習方法を選手が自ら模索していく必要があるのです。
スマホ持っていない競技者はいません。まずは客観視してみてください。有名な選手がウエイトをやっているから私も同じ事をやろう なんてことは本質をとらえていません。
あなたの本質を捉える努力をしましょう。それが質の高いトレーニングであり最短で目標に到達する手段なのです。
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