ブライアン・ノーマンjr.vs 佐々木 を見て

改めて思うんだけど、ボクシング界で世界一を獲る連中って本当の人外しかいないんだなって思わされる試合だったよね。佐々木選手の試合は世界戦組まれるかもと世間の注目したタイミングで見始めただから正直アレなんだけど、僕の感想では、何だか良くも悪くも「強打者」だなって。そういう所感を持っていた。仕留める匂いにはとても敏感で、それでいて何だか危なっかしい…打ち合いを楽しむタイプ。僕の嫌いなファイトスタイル。僕の持ちえない、度胸を…彼は、彼ら「強打者」達は持っている…

なんて思っていたんだけど、最近その打ち合いをする選手達に対する感想が変わってきた。というよりもある1種の疑念がある。

それは、彼らは誰よりもこのリング上で恐怖を抱いていて、ゴングが鳴ると同時に自らを崖から身投げしているんじゃないかと。そうとしか思えないんだよね、彼らの大ぶりなパンチ、一身に込めたステップワークから振り下ろされる斧のような打撃は、ある意味で自らを殺したからこそ打てるもので、僕のようにゴングが鳴っても、まだ生きて帰れると、まだ何処かで生き延びようとする小賢しい人間には到底できないものなんだと。

RIZINで活躍している魚井フルスイングさんが正にこの典型的な「強打者」だよね。

見てて本当そう思う。バッカバッカに相手も見ずにぶん殴ってさ、気が付いたら相手がぶっ倒れてる。やったー勝ったって。佐々木選手、魚井選手がそんな簡単に言い片付けられる訳ないんだけど、やっぱ傍から見てて、強打の後に致命的な程に相手を見てないしガードも出来てないんだよな。

俺の知るチャンピオンでそんな人は一人もいなかったと思う。マイクタイソン、井上尚弥、ウシク、ジャーボンテイ・デービスに、カネロ、GGG後は、まあボクシングよく見てないから、キックで言えば吉成、アラゾフ、グレゴリアン。

本当に登り詰めた人達って手垢のついた表現だけどよくディフェンスが出来ている。それが一番できている人達がチャンピオンであり続けられる人達なんだと。

あとこのアップよな

分かるよ、分からせられるよな…モノが違うよ。シャドーにしてもパンチ一つの確認にしてもさ。

試合内容はブライアンが前手で佐々木選手をコントロールしつつ強打の後を刈り取る、佐々木選手もコーナーまで追い詰めて得意なセットプレーに持ち込むけど王者が最後の最後で付き合わない。あと王者のショートの右フック、あれ何よ、ただただぶっ叩いてだけなんじゃないのみたいな感じのパンチが、物凄い音で会場に響き渡ったってんのよ。何というか雑味、「粗さ」なんだろうけど一切悪くないというか、全く危険を感じさせない…

僕は本当に日本人でこんなに強い人と戦った佐々木選手を誇りに思うし、よく日本にこの王者が来てくれたなって思う。試合中佐々木選手が何度も「来いよ、打ちに来いよ」ってジェスチャーも凄い嫌いなんだけども、今回ばかりはフラフラな足、ぐわんぐわんな頭で精一杯気力を持って闘うにはそうやって自分に発破をかけるしかなかったんじゃないかと察せられ程だった。

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